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爱情篇——十二人の狩人

发表时间:2011/11/30 13:36:25 来源:互联网 点击关注微信:关注中大网校微信
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 むかしむかし、あるところに、ひとりの王子がおりました。 王子には、いいなずけ(→婚约者)があって、そのいいなずけをそれはそれは爱していました。さて、王子がいいなずけのところでたのしい日をおくっていたとき、王子の父亲の王さまがたいへんな病気になって、王子にあいたがっているという知らせがきました。

これをきくと、王子は爱するいいなずけにいいました。「ぼくは、あなたをおきざりにしていかなければならない。ぼくが王さまになったら、あなたをつれにきっともどってくるから、そのときのあかしに指轮(ゆびわ)をわたしておこう」こうして王子は、ウマにのってでかけました。

そして王さまのところヘついたときは、王さまの病気はひどくなって、もう死ぬばかりでした。王さまは王子を见て、こういいました。「王子よ、わしは死ぬまえに、もういちどおまえの顔が见たかったよ。どうか、わしのいう女性と结婚すると约束しておくれ」

そして、王子のお妃(きさき)にきめておいた王女の名まえをあげました。王子はかなしみのあまり、あとさきの考えもなく、「はい、おとうさま、おとうさまのおっしゃるとおりにいたしましょう」と、いいました。それをきくと安心した王さまは、目をとじて、そのまま死んでしまったのです。

さて、あたらしい王さまになった王子は、死んだ王さまにちかった约束どおりに、ある王女と结婚することになりました。このことが、いいなずけだった王女の耳にはいりますと、彼女はかなしみのあまり、げっそりとやせおとろえてしまいました。これを见て、彼女の父亲である王さまがいいました。「元気を出しなさい。おまえののぞみは、なんなりとかなえてあげよう」

それを闻いた娘は、ちょっと考えていましたが、やがていいました。「ねえ、おとうさま。顔も、すがたも、せいかっこうも、わたくしとそっくりおなじの女の子が十一人ほしいのですけれども、おねがいできますかしら」「ああ、のぞみをかなえてあげよう」

王さまはこういって、国じゅうをさがさせて、顔も、すがたも、せいかっこうも、じぶんの娘とそっくりおなじ女の子を十一人见つけだしました。この娘たちが、王女のところヘきますと、王女は狩人(かりゅうど)のきる着物を十二枚つくらせました。その着物は、どれもそっくりおなじものでした。

そして十一人の娘たちに、この狩人の着物をきせると、王女自身も十二枚目の着物をきました。それから王女は、王さまにおわかれのあいさつをして、娘たちをつれてウマにのってでかけたのです。王女たちは、いいなずけだった花むこのお城へやってきました。

そして、「狩人はお入り用ございませんか? これだけの人数をいっしょにおやといくださいませんか?」と、いったのです。いいなづけだった王さまは、狩人になった王女たちを见ましたが、それとは気がつかず、みんな美しい人たちだったので、みんなをやとったのです。

こうしてみんなは、王さまの十二人の狩人となりました。さて、この王さまには一匹のライァ◇がいましたが、このライァ◇というのが人の言叶がわかる、とてもかしこいライァ◇でした。ある晩のこと、ライァ◇が王さまにいいました。「王さまは、十二人の狩人をやとったと、お思いになっていらっしゃるのでしょう?」「そうだよ。あれは十二人の狩人だもの」

「とんでもございません。あれは十二人の娘ですよ」「そんなことがあってたまるものか。どこに证拠があるというのだね」「よろしゅうございます。王さまのつぎの间に、エンドウマメをまかせてごらんなさいませ。すぐおわかりになりますよ。男ならばマメの上をいくときでも、しっかりした足どりで歩きますから、マメはひとつもうごきません。ところが女の子ですと、ちょこちょこ歩いて足をひきずりますから、マメがコロコロころげます」「よし、ではやってみよう」

王さまは、ライァ◇の考えどおりにエンドウマメをまかせました。ところが王さまの家来のなかに、狩人たちとなかのいい男がいて、さっそくみんなのところヘいって、その话をしてきかせました。そして、こういいました。「ライァ◇のやつ、おまえたちが女の子だなんていって、王さまをだまそうとしているんだよ」

王女はその家来にお礼をいって、それから娘たちにいいました。「おまえたち、うんとがんばって、マメをしっかりとふみつけるんだよ」あくる朝、王さまは十二人の狩人をよびました。十二人の狩人は、エンドウマメのまいてある、つぎの间にはいってきました。

ところが、みんなマメをしっかりとふみつけ、たしかな足どりで歩いたので、マメはひとつぶもころげたりしませんでした。みんながでていってしまうと、王さまはライァ◇にいいました。「おまえはうそをついたな。みんなの歩きぶりは男じゃないか」すると、ライァ◇はこたえました。

「みんなは、じぶんたちがためされることを知っていたのでございます。それで、むりに男のようにがんばったのでございます。こんどはひとつ、糸をつむぐ、つむぎ车を十二台、つぎの间にはこばせておいてごらんなさいませ。そうすればみんなそのそばへよって、うれしそうにいじりますよ。男ならそんなことはいたしません」「よし、ではやってみよう」

王さまは、十二台のつむぎ车をつぎの间にはこばせました。すると、れいの家来がさっそくでかけていって、この事をうちあけました。そこで王女は家来にお礼をいって、十一人の娘にいいました。「みんな、がんばって、つむぎ车のほうなんか、见むきもしてはいけないよ」

あくる朝、王さまが十二人の狩人をよびましたが、だれもつむぎ车には目もくれず、つぎの间をとおっていきました。そこで王さまは、またもやライァ◇にいいました。「おまえはうそをついたな。あれは男だぞ。つむぎ车などには、目もくれなかった」すると、ライァ◇はこたえました。

「みんなは、じぶんたちがためされることを知っていましたので、むりにがんばったのでございます」けれども王さまは、もうライァ◇のいうことを信じようとしませんでした。十二人の狩人は、いつも王さまのおともをして狩りにでました。王さまのほうでも、おともをさせればさせるほど、みんながかわいくなりました。

ところがあるとき、狩りのさいちゅうに、王さまの花よめが、いよいよおこし入れになるという知らせがきました。これをきいた狩人の王女は、あまりのかなしみに気がとおくなって、バッタリとたおれてしまいました。「大丈夫か!」

王さまは、かわいがっている狩人を手あてをするつもりで、はめていた手ぶくろをぬがせました。「やや、これは!」そのとき、王さまは大好きだったいいなずけにわたしておいた指轮を见たのです。顔をのぞきこんで、よくよく见ますと、たしかにあの人だということがわかりました。

王さまは心をうたれて、王女にあたたかいキスをしました。そして、王女が目をパッチリあけたのを见て、「あなたはぼくのもの、そして、ぼくはあなたのものです。この世のどんな人でも、これをかえることはできない」と、いったのです。そして、もうすぐやってくる、もうひとりの花よめのところヘは使いをやって、

「じつは、まえから妻となる女性がきまっており、彼女と再会することができました。古いカギが见つかれば、あたらしいのは必要ありません。どうかあなたは、ご自分のお城ヘおもどりくださるように」と、ていねいにおわびをしました。それからすぐ、二人は结婚しました。そして本当のことをいっていたあのライァ◇は、いままで以上にかわいがられるようになりました。

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